【レビュー】豆助 ビンテージ バレル ウィスキー

宇都宮の街を歩き、少し気持ちを落ち着けたい午後。そんな時間に立ち寄ったのが、ギャラリーハンナです。ギャラリーとカフェが自然に溶け合うこの空間で、今回いただいたのは「豆助 ビンテージバレルウィスキー」。名前からして期待を高めてくれる一杯ですが、その中身は想像以上に奥深く、印象に残るコーヒーでした。

 

まず、カップが置かれた瞬間に立ちのぼる香りがとても魅力的です。ウイスキー樽由来と思われる甘く芳醇なアロマがふわりと広がり、そこにカカオやビターチョコレートを思わせるニュアンスが重なります。アルコール感が前に出ることはなく、あくまで「熟成感」や「余韻」として香りに溶け込んでいるのが印象的。鼻を近づけるたびに、香りの層が少しずつ開いていく感覚があります。

 

 

口に含むと、まず感じるのはとてもなめらかな質感。舌触りは丸く、角がありません。ビターなチョコレート、カカオニブ、ほんのりとしたバニラの甘みがバランスよく広がり、ウイスキーバレル由来のウッディさが静かに支えています。酸味は控えめで、前に出すぎることはなく、全体を引き締める役割に徹している印象。苦味も強すぎず、むしろ「大人の甘苦さ」と表現したくなるような、落ち着いた味わいです。

 

特に素晴らしいと感じたのは、後味の長さと美しさ。飲み込んだ後、口の中にチョコレートと樽香の余韻がゆっくりと残り、時間をかけて静かに消えていきます。コーヒーを飲み終えたあとも、しばらくその香りと味の記憶が続き、思わずもう一口欲しくなる。まさに「ゆっくり飲むこと」を前提に設計されたような一杯です。

 

ギャラリーハンナの空間も、このコーヒーの魅力を引き立てていました。手仕事を感じる器、落ち着いた照明、静かな時間の流れ。コーヒーが主役でありながら、空間全体がその味わいを支えている感覚があります。慌ただしく飲むのではなく、カップを両手で包み、香りを確かめながら一口ずつ味わう。そんな飲み方が自然と似合うコーヒーです。

 

この「ビンテージバレルウィスキー」は、ブラックで飲むのがおすすめですが、甘い焼き菓子やチョコレート系のスイーツとの相性も抜群だと感じました。逆にミルクを入れてしまうと、この繊細な香りの層が少し隠れてしまうかもしれません。コーヒーそのものの個性を楽しみたい方には、ぜひストレートで味わってほしい一杯です。

 

総じて、このコーヒーは「コーヒー好きが、時間と気持ちに余裕のあるときに選びたい特別な一杯」。ウイスキー樽熟成という個性はありながらも決して奇をてらわず、丁寧で上質な味わいに仕上がっています。宇都宮で、こうした完成度の高いコーヒーに出会えること自体が嬉しく、また再訪したくなる理由になりました。

 

静かな午後に、深呼吸するように味わうコーヒー。ギャラリーハンナでいただいた「豆助 ビンテージバレルウィスキー」は、そんな時間を確かに豊かにしてくれる一杯でした。コーヒーの奥深さと、空間の力を改めて感じさせてくれる、記憶に残る体験です。

 

*ギャラリー・ハンナHP
*自家焙煎珈琲 豆助(栃ナビより)

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