立憲民主党の提案する1年間の食料品の消費税ゼロは公平か?財源は?
立憲民主党が掲げる「食料品の消費税ゼロ%(時限的1年)」案は、確かに家計支援を目的としていますが、“公平か?” “財源は現実的か?”という点では課題も多く含んでいます。以下、公平性と財源の2点から詳しく整理します。
1. 公平性について:本当に「みんなのため」か?
✅ メリット:消費税は逆進性があるので、低所得層には効果が大きい
消費税は「所得が低い人ほど、負担割合が重くなる」=逆進性が強い税。
食料品は生活必需品なので、特に低所得者層への支援として有効。
👉 例)
月5万円の食費の場合:
現在:8%=4,000円/月
0%なら:年間48,000円の軽減効果
❌ デメリット:高所得者も等しく“得をする”
高級食材や外食(テイクアウト含む)も減税対象となると、高所得者の方が絶対額で得をする傾向があります。
例えば、月20万円分の食品を買う富裕層は、8%→0%で年間約19万円の減税恩恵を受けることになります。
📌 つまり、「誰にとっても平等に軽減されるが、恩恵の“度合い”は不平等」ということになります。
2. 財源はどう確保するのか?
立憲民主党は「赤字国債に頼らず、将来世代に負担を残さない方法で」としていますが、実際には以下のような課題が立ちはだかります。
◾ 減税による税収減:年間5兆円規模と試算
軽減税率8%部分の大半を0%にするということは、年間5兆円前後の税収が失われると見られています。
日本の国と地方の税収全体で約110兆円なので、影響はかなり大きい。
◾ 財源案の可能性(だが難しい)
方 法 | 内 容 | 実 現 性 |
---|---|---|
歳出削減 | 無駄な公共事業や交付金を見直す | 財政規模が大きすぎて即効性が薄い |
他税の増税 | 所得税や法人税などで補填 | 景気後退を招く恐れあり |
特別会計の見直し | 埋蔵金的な予算を流用 | 継続的な財源にはならない |
一時的な赤字国債 | 「将来世代に負担を残さない」は矛盾 | 実際は頼らざるを得ない可能性高 |
👉 結論:「明確な財源案はまだ提示されていない。国債に頼らないのは非常に困難」な現状と思われます。
📝 結論:善意はあるが、実現性と公平性には課題
評 価 軸 | 内 容 | 評 価 |
---|---|---|
緊急性 | 物価高への即効性あり | ◎ |
公平性 | 全員一律で恩恵があるが、高所得者の得が大きくなる | △ |
財源の現実性 | 現時点では具体性に乏しい | × |
長期的持続性 | 時限措置としては○、恒久化は困難 | △ |
✔ 政策的には「給付付き税額控除」などの併用が望ましい
理想的には、消費税減税(ゼロ%)を一時的な措置としつつ、将来的には「所得の低い人に限定して給付する制度(給付付き税額控除)」へと段階的に移行することが、公平性と財政持続性の両立につながると考えられています。
